暗やみの中で一人枕をぬらす夜は ブッシュ孝子全詩集

¥ 2,090

※こちらの価格には消費税が含まれています。

※1回のご注文毎に送料290円が掛かります。

通報する

暗やみの中で一人枕をぬらす夜は
ブッシュ孝子全詩集

著者 ブッシュ孝子
解説 若松英輔
発行 新泉社

四六判上製 168頁 
1900円+税
初版発行日 2020年4月10日


暗やみの中で一人枕をぬらす夜は
息をひそめて
私をよぶ無数の声に耳をすまそう
……夜の闇にこだまする無言のさけび
あれはみんなお前の仲間達
暗やみを一人さまよう者達の声
沈黙に一人耐える者達の声
声も出さずに涙する者達の声
——本書より

誰でも、年齢を重ねれば危機と呼ぶべき時節に至る。私はそうした日々に彼女の詩に出会った。ブッシュ孝子の言葉と巡り会うことがなければ、今、こうして言葉を紡いでいるかどうかも分からない。書くことすら、どこかで諦めていたかもしれない。私は彼女の言葉に救われたのである。
——若松英輔

夜の闇にこだまする無言のさけび——。若くして病を患い、闘病中にドイツ人青年と結婚した女性が、命を終えるまでの五か月間にノートにつづった詩のことば。かつて河合隼雄氏、神谷美恵子氏が著作で紹介し、多くの読者が復刊を待望するブッシュ孝子の詩集を、未発表の作品も収録し刊行。若松英輔による解説を付す。


ブッシュ 孝子(ブッシュ・タカコ)
1945年3月20日生まれ。67年、お茶の水女子大学家政学部児童学科を卒業し、大学院修士課程に進学。児童心理学を学び、自閉症児の治療法を習得するためドイツへ留学。留学中にヨハネス・ブッシュと出会い、人生を共にする約束を交わす。70年8月に帰国し、からだに異変を感じて病院へ行く。71年年2月に乳がんと診断されて入院し、手術を受ける。同年9月、来日したヨハネス・ブッシュと結婚。72年7月に二度目の手術を受けるが、翌年11月に病の再発により入院。かねて「童話を書いてみたい」と願っていた孝子は、73年の9月9日から詩をノートに記しはじめる。74年1月27日、永眠。享年、28。同年8月、ブッシュ孝子詩集『白い木馬』(サンリオ出版)が刊行された。

若松 英輔(ワカマツ・エイスケ)
詩人・批評家・随筆家。1968年生まれ。著書に『悲しみの秘義』(文春文庫)、『詩集 燃える水滴』(亜紀書房)など多数。『小林秀雄 美しい花』で角川財団学芸賞と蓮如賞を受賞。


*サウダージ・ブックスの編集人が企画編集を担当しています。